JASRACには音楽教室からの著作権使用料徴収権限がある

日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を示している問題で、ヤマハ音楽振興会など約250の企業・団体がJASRACに徴収権限がないことの確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、東京地裁(佐藤達文裁判長)であった。JASRAC側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
著作権料訴訟「音楽教室は公の演奏」JASRAC主張 毎日新聞2017年9月6日より


「音楽教室は広告で教師による質の高い音楽に触れることを宣伝しており、聴かせることを目的にしている。教室での教師、生徒の演奏はいずれも『公の演奏』に当たる」とJASRACは主張。「管理曲を使用し商売をしている」この一言だけで済む話なのに「公の演奏」と言う理由はカラオケと同じであるということなのだろう。カラオケを歌うこと=「公衆に向け、直接楽曲を演奏する」ということで演奏権の許可が必要となるのはご存知の通りである。

さて、ヤマハを中心とする「音楽教育を守る会」の主張「音楽教育に大きなダメージを与える。教育が衰退すれば、教師や演奏家が育たず、音楽文化の発展に影響を与える」は一見正しそうだが、これは詭弁である。商売でやっているのだからJASRAC管理曲を使う限り使用料の支払いが必要で払わなくてよいとする理由が何処にも無い。これは管理の及ばないクラシックのみの教室にしか通用しない言い訳であることは明々白々である。

音楽教育と言えば学校における音楽や部活、文化祭等での音楽使用に対してJASRACは使用料を徴収していない。その理由は以下の3つに該当するからである。
  1. 営利を目的としていない
  2. 名目を問わず、入場料をとらない
  3. 演奏者(歌手やバンド)や指揮者など出演者へ報酬の支払いがない
JASRACは音楽教育と称し営利を目的としている民間の音楽教室から今後、演奏権を行使し著作権使用料を頂きますよと言っているだけなのである。ネット民はコミケと同じ感覚でいるからカスラックと一方的に非難するが、あれだって著作権者から見逃してもらっているだけなのである。

無論、コミケと同じように民間の音楽教室にも自由に管理曲を使用させてやるのが音楽普及になり、次代の音楽作成者の創造に繋がるとは思うので、その点はJASRACは目先の金に目が眩んだ先の読めないカスラックだなと思ったこともあったのだが、台所事情など様々な要因も考えられるので正当な主張は汲んでやろうと思う。

ところで、音楽教室からの使用料徴収が音楽教育に大きなダメージを与え、音楽文化の発展に影響を与えるというのは、そもそも本当だろうか?別に音楽教室なんて行かなくても偉大なミュージシャンになってる人は多いんじゃないだろうか?JASRAC管理曲は大半ポップソングだろうから、その手の曲が演奏したい人は大抵、部活の部員仲間、バンド仲間に教えてもらったり教本を買ってきて自学自習で演奏を自分のものとしているのではないか?私もマンガ ベース入門みたいなのを買って覚えたし、周りで音楽教室なんて行ってたバンド仲間は一人も居なかった。音楽教室があろうがなかろうがポップミュージックが廃れることはなさそうである。

多くのネット民のようにヤマハに頑張れとエールを送ることはしない。私がヤマハに勧めるのは訴訟取り下げである。このままだと、どう考えてもJASRACが勝訴しJASRACの言い値で使用料が徴収される。取り下げて徴収権限を認める代わりにJASRACに使用料の値下げ交渉をした方が傷が浅くて済む。勿論、クラッシックのみの音楽教室はJASRACに対し堂々とおまえらには徴収権限など無い!と言えばいい。



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