辻元清美議員は二重国籍者の国籍を剥奪せよとは言っていない

「国の代表となる人間が二重国籍を疑われる場合、政府が国籍を確認しないのは職務怠慢であり、国籍法16条に基づき日本国籍を剥奪するべきだ」「二重国籍は絶対に許されない。日本国籍を剥奪し国に追い返すべき」などと辻元清美議員が以前主張していたというエセウヨが大喜びするネタがツイッターを駆け巡った。私は余り興味が無かったので、気にもしていなかったがデマであるとの話が出てきたので、俄然検証してみる気になった。




ネタ元は平成13年3月6日提出の「ペルー共和国前大統領アルベルト・フジモリ氏に関する質問主意書」からだ。該当箇所はここである。


4 一九九〇年七月にフジモリ氏はペルー共和国大統領に就任している。フジモリ氏がいわゆる日系人であることは当初より公知の事実であったと考えるが、日本政府はその就任時点でフジモリ氏の国籍を確認したのか。もし確認を怠ったのであれば職務怠慢であると考えるがいかがか。また、その時点で政府がフジモリ氏の日本国籍保持を確認していたのであれば、国籍法第十六条第二項に基づき国籍喪失の宣言を行ったのか明らかにされたい。もし行わなかったのであれば、その理由並びにどのような場合にこの条項に基づく宣言がありうるのか、明らかにされたい。


それでは国籍法の第16条を見てみよう。


第十六条  選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。 2 法務大臣は、選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失つていないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であつても就任することができる職を除く。)に就任した場合において、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは、その者に対し日本の国籍の喪失の宣告をすることができる。


要するに第16条二項にあるのは外国の公務員職に就いた日本国籍を持つ者が二重国籍である場合、法務大臣が日本国籍を剥奪することが出来る場合があるということだ。つまり辻元議員の上記の質問はペルーで大統領職に就いた二重国籍者についてのもので二重国籍者一般のことを言っているわけではない。


よって、エセウヨの書き方に倣うなら辻元議員の趣旨は次のようになろう。

「外国で公務員職に就いた者が日本との二重国籍を疑われる場合、日本政府が国籍を確認しないのは職務怠慢であり、国籍法16条二項に基づき日本国籍を剥奪するべきなのではないか?」


したがってエセウヨの言う辻元議員の二重国籍発言はデマ、もしくは自身の無知蒙昧があからさまになったものと言わざるを得ないであろう。

これをもって16年越しのブーメランとは決して言えない。何故なら蓮舫議員は台湾や中国の公務員ではないので法務大臣から国籍を剥奪されることなどない。辻元議員の主張はどこの誰にも影響を与えはしないのだ。



7月22日追記:
こんな国籍法を読めば誰でも分かることを今まで誰も指摘していないのだろうかとググってみたら、やはり先人によりとうの昔に発表されていました。

『ネトウヨの捏造が止まらない! 辻元清美が「二重国籍は許さん」と言った!?』

エセウヨはソースを読むこともググることさえもしない。




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